「出産後の仕事復帰と母乳育児に関する調査」を発表

産休・育休後に仕事復帰する女性の約半数が復帰後も母乳育児を継続、さく乳場所は約6割がトイレ

さく乳器などの母乳育児関連製品を販売するメデラ株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:杉原領治)が本日発表した調査によると、出産後1年6ヶ月未満で仕事復帰した女性の約半数(50%)が復帰後も母乳育児(*1)を継続していることがわかりました。しかしながら、復帰後に職場でさく乳を経験した女性の約6割がトイレでさく乳しており、女性が母乳育児と仕事を両立するための職場環境の整備が不十分であることが明らかになりました。

職場環境の整備が不十分となる要素には、職場にさく乳室/さく乳専用の部屋・スペースがない、職場でさく乳する時間を認める勤務規則がない、といったことを含んでおり、復帰後、職場の「さく乳室・さく乳専用の部屋・スペース」でさく乳していたと答えた女性は5%にとどまっています。

調査で母乳育児経験者に仕事復帰後も母乳育児を続けるために必要なものを聞いたところ、最も求められているのは「仕事をしながら母乳育児を続けるための具体的な方法に関する情報(70%)」であり、その後に「さく乳室/さく乳専用の部屋・スペース(61%)」、「職場でさく乳する時間を認める勤務規則(56%)」、「さく乳した母乳を保存できる専用の冷凍庫(53%)」、「さく乳器(手動タイプ/電動タイプ)(46%)」と続きました。

女性が活躍しやすい環境を整え、継続就業率を上昇させるためにさまざまな政策・施策が検討・実施され、働く母親について取り上げられる機会が増えています。しかし、近年、日本国内の母乳育児率が上昇している(*2)にも関わらず、母乳育児を行う母親にとっての仕事復帰や、母乳育児が仕事復帰に与える影響についての調査・報道は少なく(*3)、その実態についてはほとんど把握されていません。

 育休後コンサルタントの山口理栄氏は次のように述べています。
「今回、産休・育休後に仕事に復帰する女性の母乳育児の実態がわかったことは、そうした女性たちや雇用主にとって大きな意味があります。母乳育児の継続の有無が職場復帰の時期に与える影響は小さいものの、復帰時点で断乳するかどうかを悩んだ女性は2割程度いることが明らかになりました。こうした場合、職場のさく乳環境は母乳継続有無の大きな判断材料になり得ます。産休に入る女性には職場のさく乳環境を必ず確認するよう今後周知していきたいと思います。一方、雇用主は女性従業員が『トイレ』でさく乳している、という事実を重く受け止めるべきです。今回明らかになった復帰時期別の母乳継続率の数値を利用し、自社の産休・育休者の数、復帰時期の傾向からさく乳が必要な人数を割り出し、その結果を基にさく乳スペースの規模や仕様を検討していただきたいです。」

メデラでは、母乳育児状況を踏まえたサポートの可能性について政府・企業において議論・検討されていくことが、より安心して仕事復帰や育児を行う環境づくりにつながると考えています。また、政府・企業が母乳育児を行う女性社員の実態や要望を把握し、社員が母乳育児と仕事を両立するための職場環境づくりに向けて改善点を明確にする必要もあると考えており、今後も実態調査や復職後も母乳育児を継続する女性への情報提供、企業の支援策づくりに役立つ情報提供を通じて、母乳育児を続ける女性やそうした女性が働く職場をサポートできるよう適切な情報やソリューションを提供していく所存です。

■メデラ株式会社 本社内の「Mothers’Room(マザーズルーム)」について
メデラ株式会社の本社社屋(東京都渋谷区笹塚)には、授乳中の社員向けのさく乳室「Mothers’Room」があります。随時見学や、さく乳室、スペースの導入を検討される企業様の見学を受け付けております。

*1:母乳育児:母乳のみの授乳及び母乳と粉ミルクの混合栄養での授乳
*2:2005年に厚生労働省が発表した10年ごとの実施調査によると、生後1ヶ月時点で母乳栄養(完全母乳+混合栄養)を与えている母親の率は94.9%と10年前の92.1%よりも2.8%上昇している。http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0314-17b-1.pdf 
また、メデラ株式会社が2014年に末子が2歳未満の母親7,827名を対象に実施した調査では、92.4%が過去もしくは現在(当時)に母乳育児を行っていた。
*3: 例えば、育児休業期間が短い米国(原則産後12週)においては、仕事復帰後母乳育児を継続する女性へのサポートとしてさく乳時間、さく乳室・スペースを設けることが一定規模以上の企業に対し連邦法(アメリカ労働省 公正労働基準法 7項 Break Time for Nursing Mothers Provision)により義務付けられています。詳細は添付資料をご確認ください。


「出産後の仕事復帰と母乳育児に関する調査」について
メデラ株式会社では、母乳育児を行っていた母親の仕事復帰が母乳育児に与える影響、また母乳育児と仕事復帰に関する意識について出産後1年6ヶ月未満(*4)で仕事復帰した女性を対象にインターネット調査を実施しました。調査概要は以下の通りです。

調査対象:末子が3歳未満の出産後1年半未満で再び働き始め、現在も就業中の女性
実施期間:2014年12月
調査手法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:515名


*4国内における女性の育児休業期間は「10カ月~12カ月未満」が最も多く33.8%。以下、「12カ月~18カ月未満」が22.4%、「8カ月~10カ月未満」が13.7%。だった(2012年度雇用均等基本調査:2012年度調査が育児休業期間に関する最新の調査)。

■メデラ株式会社について
メデラ株式会社は、1993年にMedela Holding AG(本社:スイス)の100%子会社として東京に設立され、現在母乳育児とヘルスケアの2つの事業を日本国内で展開しています。母乳育児事業部は、最新の研究及び吸引技術により、赤ちゃんとママの健康、母乳育児をサポートすることを使命とし、研究開発に基づいた乳房に負担の少ない電動さく乳器、特殊授乳製品を含む母乳育児サポート製品を展開しています。メデラの電動さく乳器「シンフォニー」は、病院グレードのさく乳器として国内の病院・産院で最も多く採用されているさく乳器です。 また、個人向けのさく乳器として「スイング・マキシ」、「スイング」、「ハーモニー」を展開しています。

お問合せ先

メデラ株式会社 ヒューマンミルク事業部 広報担当 
電話:03-3373-3453

Medela(メデラ)について

Medela(メデラ)はオーレ・ラーソンにより、1961年にスイスに設立され、現在は息子のマイケル・ラーソンのリーダーシップのもとで発展し続けています。メデラには、「ブレストフィーディング(母乳育児)」と「ヘルスケア」の2つの事業部門があります。ブレストフィーディング事業部では、世界的に認められている基礎研究を通じて、母乳育児関連製品の開発・製造における最先端を担っています。ヘルスケア"事業部では、医療用吸引技術を用いた高い革新性を有する医療機器の開発、製造を行っています。メデラは、第一線で活躍する科学者、医療専門家、大学と連携して基礎研究を実施し、その研究成果を製品開発に応用しています。メデラはヨーロッパ、北米およびアジアに18の子会社を持ち、90ヶ国以上で代理店を通じて製品を販売しています。全世界に1,500人を超える従業員を擁し、そのうちの330人はツーク州(スイス)で働いています。。www.medela.com