吸啜サイクルの超音波画像はこちらで確認できます。
乳児の吸啜における科学
母乳育児の成功には、お母さまと赤ちゃんの連携が不可欠です。乳児の吸啜を理解してこれをうまく管理するためには、まず最初に授乳と母乳の排出に対する解剖学と生理学を理解することが重要となります。Medela(メデラ)は、西オーストラリア大学の第一人者らと共に、授乳中の乳房の構造を調査しました(Ramsay ら、2005年)。この画期的な研究は、今までの見解に意義を唱えるものとなり、多くの教科書が書き換えられることになりました。そしてこの新しい見解が、赤ちゃんが母乳をおっぱいから吸うメカニズムにも適用されました。
吸啜サイクル
西オーストラリア大学は、超音波と吸引圧測定を組み合わせて使用することで、授乳時の赤ちゃんの吸啜を調査しました。
吸啜サイクル(図2)の間、吸引圧は基準ラインから開始し、舌が下がるにつれて増大し、舌が一番下に達したとき最大になります。舌が下がるにつれて、母乳が流れ始めます。次に舌は上昇して、基準ラインまで戻って休憩し、ここで母乳の流れは停止します。
重要な発見
- 母乳の排出には吸引圧が重要な役割を果たす。
- 舌は目立った蠕動運動を行わない。
- 乳頭は舌によってつぶされたり、変形したりしない。
- 乳頭の先端は硬口蓋と軟口蓋の接合点に到達しない。
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